耳鳴りの基礎知識
2017年05月01日更新 2017年03月31日公開

耳鳴りが起こる原因とメカニズム

音が鳴っているわけでもないのに聞こえてくる耳鳴りは、気になりやすいため少しでも早く改善させたい病の一つかも知れません。ここでは、耳鳴りの原因やメカニズムなどについてドクター監修の記事で解説します。

耳鳴りは、重大な病気のサインということも考えられるので、医療機関での早目のチェックが必要です。ここでは、耳鳴りの原因やメカニズムなどについて解説します。

耳鳴りが起こるメカニズム

耳鳴りとは、音が鳴っていないにもかかわらず、鳴っていると感じてしまう現象ですが、そのメカニズムについてはまだ明確には解明されていません。音を感じるルートは、「外耳」→「中耳」→「内耳」→「聴神経」→「脳」となっていることが分かっていますが、耳鳴りはこのルートのどこかで生じた障害が原因であると考えられます。

このルートで、「外耳」→「中耳」の部分は「伝音系」、「内耳」→「聴神経」→「脳」の部分は「感音系」と呼ばれています。伝音系と感音系のうち、とくに耳鳴りで多いとされるのが感音系での異常によって生じる「感音性難聴」に関したものです。感音系での障害によって聴覚が落ちると、脳は聞こえをよくするために、さらに電気信号をしっかり受信すべく聴覚神経の感度を上げてしまうといわれています。

結果として、本来であれば聞く必要のない電気信号まで受信してしまい、それが耳鳴りとなって現れるのではないかといわれています。

耳鳴りの原因

耳鳴りはなんらかの病気が原因となって発症するケースがあると考えられています。

外耳での病気の場合

耳鳴りの原因になると考えられる外耳での病気について説明します。

  • 外耳道炎

外耳道炎は、外耳道つまり耳の穴に炎症が起こる病気とされています。この病気は急性の場合と慢性の場合があり、急性の場合、海水浴などで汚れた水が入ってきたり、耳かきのときなどに外耳道で負った傷から細菌が入り込むことにより炎症を起こすケースです。この場合、痛みやかゆみが主な症状ですが、症状が進むと外耳道が腫れ、耳鳴りや耳がつまったように感じる耳閉塞感が現れてくるといわれています。この急性外耳道炎は、治らないまま放置すると慢性化して慢性外耳道炎になるので、完治するまで治療は継続する必要があります。

中耳での病気の場合

耳鳴りの原因になると考えられる中耳での病気について説明します。

  • 耳管狭窄(きょうさく)症

通常は閉じていて、あくびや飲食時には開いて換気をする「耳管」という部位があります。耳管は中耳とのどや鼻をつなげていますが、換気のために開いたとき、中耳の中と外の圧力を同じにする役割があるとされています。ところが、耳管が開かないで内外の圧力差がリセットされないままになると、中耳内の圧力が外気よりも低くなり鼓膜が内側に引っ張られる状態になることがあります。

この症状は耳管狭窄症と呼ばれ、鼓膜がうまく振動できなくなり低音が聞こえづらくなって、低音の耳なりを起こすことがあるようです。蓄膿症(副鼻腔炎)や風邪(かぜ)、鼻炎などに罹ったときなどに起こりやすいといわれています。

  • 耳管開放症

耳管狭窄症の場合は耳管が閉じたままになる症状ですが、耳管開放症の場合は、耳管が開いたままになる症状です。この病気の場合、聞こえてくる音が耳の中で大きく反響したり、低音での耳鳴りが起こったりします。自律神経が不安定なときや、ダイエットのし過ぎが原因となって起こるといわれています。

  • 滲出性中耳炎

鼓膜からは「浸出液」という体液が分泌されますが、滲出性中耳炎はこの浸出液が、中耳の「中耳腔」という場所に溜まった状態になり炎症を起こす病気です。症状は、耳鳴りや耳閉塞感、難聴などの症状が現れます。風邪(かぜ)やアレルギー、耳管狭窄症などによって引き起こされる病気で、症状が進むと真珠腫性中耳炎に移行して手術が必要になることがあり、早目に治療して完治させる必要があります。

内耳での病気の場合

耳鳴りの原因になると考えられる内耳での病気について説明します。

  • メニエール病

内耳は内リンパ液という液体で満たされていますが、この液体が増え過ぎて内耳にある蝸牛や前庭と呼ばれる器官が腫れる「内リンパ水腫」と呼ばれる現象が現れるときがあります。このような状態になると、聴覚に関わる障害として耳鳴りや難聴が起こり、平衡感覚に関わる障害としてめまいなどが起こります。原因ははっきりとは解明されていませんが、ストレスが引き金になることが多いようです。

  • 突発性難聴

突発性難聴は、何の前触れもなく、突然、片側の耳で耳鳴りをともなった難聴を発症する病気です。この病気に罹った人のおよそ半数がめまいを起こすといわれており、メニエール病の初期の状態に類似していますが、この病気のめまいは、最初に症状が起こったときのみ耳鳴りが現れます。原因はウイルス感染やストレスが原因ではないかとされています。

耳鳴りの種類

耳鳴りの種類については、大まかに「自覚的耳鳴り」「他覚的耳鳴り」の2つに分類できます。以下にそれぞれについて説明します。

自覚的耳鳴り

自覚的耳鳴りとは、音が鳴っている感覚を本人だけが感じる症状で、大半はこのタイプの耳鳴りです。原因は、特定の病気によって起こる場合と、生理現象として感じる場合があります。物音がしない静かな場所でも、頭の中で「シーン」という微かな音を感じる人がいるといわれていますが、生理現象としての耳鳴りは、とくに問題とする必要のない耳鳴りといえます。

他覚的耳鳴り

音源が体のどこかにあり、他者が耳の周辺に聴診器を当てれば、その音を聞ける場合を他覚的耳鳴りと呼びます。他覚的耳鳴りには間欠的な場合と持続的な場合の2種類があり、間欠的な場合では、耳周辺の筋肉が痙攣を起こしたときに聞こえ、「ブツブツ」「コツコツ」という音がリズミカルに聞こえるとされています。また、持続的な場合では、耳の周囲の血管での血流音を拾った音で「シュー」「ザー」などの音が聞こえるようです。

慢性的な耳鳴りとは

耳鳴りは、発生の仕方によって分類すると「突発性耳鳴り」と「慢性耳鳴り」に分けられます。突発性耳鳴りとは、何の前触れもなく突然起こる激しい耳鳴りで、メニエール病や突発性難聴に付随して発症します。一方、慢性耳鳴りは、耳鳴りの症状が強くなることもあれば弱くなることもあり、慢性的に継続されるケースを指すとされています。この種の耳鳴りの原因は、メニエール病や老人性難聴だといわれています。

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