うつ病の基礎知識
2017年04月10日更新 2017年03月31日公開

老人性うつと認知症の違いとは

高齢者にかかるうつ病は「老人性うつ病」と呼ばれていて、「認知症」と似た症状があらわれることもあります。うつ病は早期発見、早期治療が望ましい病気のひとつとされていますので、ドクター監修のもと詳しく見比べてみましょう。

うつ病はさまざまな人がかかる可能性があります。それは高齢者も例外ではなく、高齢者の場合は「老人性うつ」という名前で区別されています。では、一般的なうつ病との違いや、注意するべき点などを見てみましょう。

老人性うつとは

高齢者がなるうつ病のことを「老人性うつ」と呼んでいますが、一般的なうつ病の症状や治療はすべて内包したうえで、高齢者特有のものを含んでいることを指すと考えた方が早く理解できるかもしれません。症状や治療方法にも、いくつかの注意するべきポイントがあるとされています。

老人性うつの原因・症状

一般の「うつ」と「老人性うつ」に、明確な違いはないと考えられています。しかし、一般的な「うつ」よりも症状が多くみられたり、重度な傾向が強かったり、原因が多いがゆえにかかりやすくなったり、年齢などを要因に回復しにくかったりといった特徴があるといわれています。

老人性うつの原因

高齢者となると、いままで第一線で頑張ってきた仕事からの退職、子供の巣立ち、配偶者の死や身近な知人の死、老化により身体的な勝手がいままでと変わった、ばくぜんとした先行きの不安、飼っていたペットが死んでしまった、なにかしらの疾患をかかえている時間が多くてしんどい、進化しつづける社会からの孤立感、死への恐怖など、ざっと考えるだけでも、うつ病に直結するようなストレスがかなり多いことがわかります。当然、心ももろくなっていることが考えられますので、これらを受け止める力を持てずに潰されてしまうというケースが考えられます。

老人性うつの症状

特徴的な症状に、身体的なものが多くあげられます。めまい、手足のしびれ、耳鳴り、吐き気、食欲がなくなる、眠れなくなる、頭痛、肩こりがひどい、といったよくみられる症状が多いため、それが「うつ」によるものだと発覚するのが遅れてしまうこともあります。

もちろん、一般的な「うつ」の症状も多くみられ、自殺を考えたり、落ち着きがなくなったり、意欲が衰えたりといったことも考えられるので、改善しにくいことを考慮しても、若い人のうつよりも重症化しやすいとみることもできます。

老人性うつと認知症の見分け方

老人性うつは認知症と同じような症状がみられることがあります。素人の目では見極めが難しく、専門医師でも十分で効果的なカウンセリングが行えない限り、見極めるのは難しいとされています。

老人性うつの特徴

基本的に症状が突然あらわれるといわれています。これは「うつ」を発症する引き金が、それまでに積み重ねたストレスに加えて、決定的ななにかがきっかけとして発症することが多いためです。また、朝は調子が悪く、夕方になるにつれて元気が出てきたりといった「日内変動」という変化がみられることもあります。

さらに、ネガティブな思考が多くなり、そこから思考を拡大していくといった特徴も多くみられます。経済面や健康面に対してむやみな不安を抱くようになったり、周囲に対して消極的になっていく様子がみられることもあります。

認知症の特徴

明確には攻撃性がみられたり、気分のムラや性格が変化してしまったりといった変化があるといわれています。また、記憶障害に重度な症状がみられることも多く、生活に必要な基本的なことや、自身の生年月日、年号、名前を忘れてしまったり、親しい人を覚えていなかったりといった症状も考えられます。

さらに、性的な倫理にも異常がみられることもあり、それまでまじめだった人が急に痴漢をしてしまったといったケースもあります。これらは突然あらわれるわけではなく、ゆっくりと症状が進行していくため、気がついたときには問題を起こしていたという可能性もあるので注意しましょう。

老人性うつの対策

高齢者の場合は、一般的なうつ病と同じように投薬による治療を行なうのは、副作用の面からも適切ではないこともあります。症状の重さや、患者の状態などをカウンセリングの課程でじっくりみていき、慎重に治療をすすめることが大切です。

生活環境の変化が原因となっていることも多いため、落ち着ける環境づくりも重要な要素だとされています。必要であれば入院や施設による生活に移行し、日常的に人とふれあうようにしたり、毎日の目標を決めたりといったケアが必要になることもあるでしょう。手先や頭を動かすことも効果があると考えられていますので、簡単なモノづくりや絵を描いたり、施設の仲間と軽いスポーツを始めてみるといったこともよいでしょう。

休養が大切ですが、高齢者の場合はむやみな休養は身体的な能力の低下につながりかねません。患者の多くは「生きる目標」を見失ってしまっているケースがあるため、なにか小さなことでもよいので目指せるものを決めて、本人の潜在的な「生きる活力」を引き出すことも、重要な対策につながると考えられています。

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