うつ病の基礎知識
2017年04月10日更新 2017年03月31日公開

うつ病の人との接し方

病気になってしまった時、人間は身近な人に励ましてもらいたいものです。しかし、うつ病などの精神症状の場合は、励ましてもらうことが逆効果となる可能性があります。うつ病の人との接し方についてドクター監修の記事で紹介します。

最近、耳にすることが多い「うつ病」ですが、もし、身近な人がうつ病になってしまった場合、どのように接したらよいのでしょうか。うつ病の人との接し方について見てみましょう。

うつ病の人の心の状態とは

人間の気分は、自分の意識で変わるものではありません。うれしいことがあればウキウキとし、いやなことがあると落ち込みます。自律神経がこのような気分の変化を調整しているといわれています。ところが、うつ病になってしまうとうれしいことがあっても楽しい気分になることがなくうつうつとしたままの状態が続いてしまうことがあります。このような状態を「精神運動の制止」と呼んでいますが、これはうつ病の一つの症状です。

この精神運動の制止は、日常生活に大きな影響をもたらしていると考えられており、気分が重い、集中力がない、好きなこともやりたくないなどの状態になってしまいます。

治療をせずにさらにうつ病がひどくなっていくと自殺願望も出てきてしまうとされています。抑うつの状態が長く続いてしまうと自尊心の喪失感がひどくなり、「この世から消えてしまった方がいい」というような自殺願望が出てくることが少なくありません。妄想や幻覚といった精神症状に悩まされることもあり、危険な状態になる場合もあると考えられています。

うつ病が発症してしまう要因

環境のストレスが原因でうつ病が発症してしまうこともありますが、なにも思い当たるような原因がない場合でも起こり得ます。このようなタイプのうつ病は、まだはっきりとわかってはいませんが、脳内の神経伝達物質のセロトニンやノルアドレナリンなどの働きが影響しているといわれています。

休日になると比較的元気になるというタイプのうつ病は、神経伝達物質が影響しているというよりも性格から来ることの方が強いと考えられています。そのため、セロトニンやノルアドレナリンの働きに効果がある薬を飲んで休養をするといった対処は有効ではない場合もあるとされています。

うつ病への理解が大切

うつ病の治療は、本人一人ではとても難しいものがあります。家族や周りの人たちがうつ病に対してしっかりと理解をして協力をすることが大切です。

  • うつ病には十分な休養が必要であること
  • つらいうつ症状は病気が原因であること
  • 今では、きちんと治療をすれば治る病気であり、社会復帰することも可能であること
  • 自殺願望を持ってしまう患者もいること
  • 判断能力が低下しているので、病気の間は重要な決断を先延ばしにさせること

など上記に記載されたようなことを知ることでうつ病に対する理解も深まり、治療をサポートしやすくなると考えられています。

うつ病の人との接し方

うつ病をきちんと治すためには、医師による適切な治療が必要です。精神科や心療内科など、専門の病院を受診することが重要ですが、うつ病となってしまった人はこの病気を受け入れられないことも多く、病院に行くことを嫌がる場合も少なくありません。そのような時には、患者に対して「うつ病がそのような考えにさせて苦しくなるのかもしれないよ。うつ病は現代では、治すことができる病気なのだから、今は苦しくても一緒に乗り越えていこう。」というように本人に対して愛情を込めたサポートをするようにしてください。何回かくりかえし勧め、患者自身が、病院を受診して少しでも現状を変えたいという気持ちを引き出してあげることが大切と考えられています。

うつ病の人と接する際に注意する点

うつ病は病気です。本人が一番苦しんでいることを理解してあげましょう。本人は今の状態からなんとか抜け出したいと思っているのですが、励まされても頑張ることができません。それどころか励ましがかえって追い詰めてしまう結果となる場合があります。

周りの人間がうつ病は治ると信じてサポートしていくことが大切です。どのタイプのうつ病かによって家族や周りの人間の対応方法が違ってきますので、すべてのうつ病患者に当てはまる対応方法というのは難しいのですが、信頼できる主治医を持つことは重要とされています。また、本人は判断能力が低下しているため、病院を選んで受診したり通院したりするときにはサポートするようにしてください。本人や病気について理解するためにも医師の話を本人と一緒に聞くようにしてください。

うつ病は治療に時間がかかることが多い病気です。症状が改善されたと思ってすぐに薬をやめてしまうようなことは避けて、治療は長期戦であるということをしっかりと頭に入れて焦らずじっくりと治していきましょう。また、再発率も高い病気であるため、もし、再発したかもというようなサインを周りの人間が感じるようならばすぐに担当医師に相談するようにしましょう。

職場関係の方たちは、本人が焦らずゆっくりと社会復帰できるよう可能な限り仕事内容に配慮してあげてください。働きながらうつ病の治療をしている場合には、本人一人の問題ととらえず、情報を共有してサポートしていきましょう。

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